『元祖、大阪のおばちゃん』
久々にニシグチのおふくろを登場させます。
彼女こそ、「元祖、大阪のおばちゃん」である。
大正15年生まれの彼女、
実は多くの「顔」を持っていました。
家庭では、当たり前のように
普通の「妻」であり「母」であります。
職場(幼稚園の先生)では、こどもに厳しく、
保護者には愛想を振りまく先生。
夜の顔も持っていました。
「バーのママ」ではありません。
ピアノの先生として、数十名の生徒をもっており
毎晩、出張レッスンに行っておりました。
もちろん、職場の園長先生には内緒でございます。
「カズノリ、園長から電話かかってきたら
『親戚にちょっと用事で出かけてます』って言うときや!」
力強く、我が家の生活を支える「したたかな顔」です。
そして、極めつけの
「大阪のおばちゃん顔」を紹介します。
子供の頃、よく買い物につきあわされました。
そうです。値切るんです。
多くのおばちゃんたちは、
「頼むからもう、○○円 引いてや!」
オーソドックスに泣きつき作戦に出るわけですが、
おふくろの場合、
価格決定権は、あくまでも消費者である自分なんです。
そして、お店のおっちゃんが泣きつくんです。
「奥さん、頼むからもう1,000円 出してや!」。
おふくろを超える「大阪のおばちゃん」は、
もう出てこないと思っていましたが、
先日、感動的とも言える究極のおばちゃんに出会いました。
JRホームの出来事です。
学生さん(17才ぐらいの男の子)が、
電車に乗り込み座ろうとしたそのとき、
なんと外から窓越しに、
学生さんと座席に指さし、大声で
「ソコ、アタシ!!」と叫んだんです。
かわいそうに座りかけてた学生さん、
中腰からもう一度立ち上がって、
おばちゃんが無事座り終えるまで、
その席を確保していたではありませんか。
他人同士の二人、
瞬時に軍隊以上の主従関係ができあがっていました。
大阪のおばちゃんは、どんどん増殖し続けています。
おそるべし選手層の厚さでございます。