スーパーそれなり考

「殺人事件報道に思う」



今日も又一つ「凶悪殺人事件」がマスコミをにぎわしている。



中心的な内容は
・「如何に非人道的な凶悪性か」に力点を置いた内容。
・「被害者の無念さ」を訴える内容。
 (被害者の事件前までの日常生活ぶりまで添えられて) 
  


 相変わらず、この2点が中心である。



結果「犯人に対して極刑が当たり前」
という空気に社会全体が包まれていく。



この報道の流れにニシグチは、
得体の知れぬ怖さや危険を感じています。



第1に、
過去、数々のえん罪事件を
この国の司法は犯している、
という現実があるのに、未だに
容疑者の段階で「実名」入り報道が行われている。



第2に、
事件から数週間程度の報道で、
すぐに事件を風化させてしまっている。



第1に関しては、いずれしっかりと
「ニシグチ考」として取り組む予定です。



今号では、第2を「考じ」させて頂きます。



ニシグチが思うに「報道の役目」の一つに、
「社会現象や事件の検証(原因究明)」
ってのがあると思う。



たとえば、一つの無差別殺人事件を検証しようとします。
この場合、間違いなく事件の原因は加害者にあります。



どう間違っても被害者に原因はありません。



と言うことは、被害者をいくら取材しても
事件の原因をさぐる手だてはないのです。



取材先は、バランス的にいえば
圧倒的に加害者側に重点を置かねばならないはずです。
少なくとも、被害者の生前の日常生活より。



加害者の生い立ちから、育った環境
社会とどう関わってきたのか、
又は関わってこれなかったのか、、、、



こんな所からしっかりと取材すべきではないだろうか。



事件から一定の時間がたったころ、
「同じ事件をできるだけ、この社会から減らす為に
 被害者の命を無駄にしないためにも、ご協力を、、、」
と、誠意を込めてお願いすれば、
関係者も口を開いてくれるんではないでしょうか。



航空機事故の原因究明で一番重要視されるのは、
ボイスレコーダーです。



全マスコミの記者や
書くこと(社会派)を職としている人には、
どうか、
加害者の「心の闇」まで録音できる
ボイスレコーダーになってください。



私たちも(少なくともニシグチは)、
自分も構成している社会が生み出した
加害者であり被害者であることを
自覚し続ける為に、
そのボイスレコーダー(記事)
を読ませて頂きます。