『デビュー!』
まあ、皆さん聞いてください。
先週の出来事です。
ニシグチ、40年ぶりに
再起不能になるほど打ちのめされました。
●まずは、40年前の「おっちゃんデビュー」をお話ししましょう。
ニシグチ、こう見えても高校時代は野球部で坊主頭の
なかなか端正なルックスで、見るからに「ザ・高校球児」でした。
高校を卒業した一年目。
まだあどけなさが残る19才、
若者の代表のような自己イメージで生きていたはずなんですが、、、
そう、大学1回生で「デビュー」してしまったんです。
ある夏の日、自宅近くの公園にさしかかったとき、
サッカーボールが足下に転がってきました。
その時です。
「おっちゃん、ボールとって!」
聞こえたんです。
たしかにニシグチに向けられた
小学生の非情なセリフが聞こえたんです。
生まれて初めての、、、、
そうなんです。「おっちゃんデビュー」だったんです。
しかもニシグチ、ニコッと笑って
ボールを拾い上げ、投げ返してあげると言う
恥ずべき「親切反応」を、思わずしてしまったんです。
(※今思えば、「だれがおっちゃんやねん」
と言って反対方向へ蹴とばすべきやったんや)
「おっちゃん」にショックを受けたのはもちろん、
自然に少年達の要望に応える反応をしてしまった自分にも
ダブルでショックを受けたんです。
みなさん想像してください。
ちょうどプロゴルファー 石川 遼が
「おっちゃん!」って呼ばれたのと同じことなんですよ。
●そして先週、悪夢の「席ゆずられデビュー」です。
SO−KENの仕事は、市民からの「葬儀の相談」です。
葬儀だけに24時間体制で電話相談を受けます。
特に夜中の電話当番は、約90%ニシグチが担当します。
先週の事ですが、たまたま一晩で5件の電話相談を受けました。
3件以上の相談が入れば、もちろん一睡も出来ません。
翌日の地下鉄での出来事です。
きっと、疲れた表情だったんでしょう。
40年ぶりに文句のつけようがない「親切な悪魔」
がニシグチにささやきました。
「ド・ウ・ゾ・オ・ス・ワ・リ・ク・ダ・サ・イ!!」
そうです。電車で「席ゆずられデビュー」したんです。
40年前と同じように、
ニシグチ、ごく自然に反応してしまいました。
「ドウモ、アリガトウゴザイマス」と言って、
お言葉に甘えてしまったんです。
嗚呼、悲しき「アラカン」58才!