不動産の生前売却は、相続対策として有益なのか問題

今回は、
「父 80才が余命 約1年と宣告されました。母は他界していて、親族は、兄弟4人になります。今の間に売却して、現金に変えておいて、相続手続きを楽にしたいと思ってます。父も理解をしてくれてます。
手順と気をつけなければならないことをアドバイスいただけますでしょうか。」
とのご相談をいただきましたので、以下簡単にはなりますが、回答してみたいとおもいます。 

今回のご相談内容でまず気になるのが、

①そもそも、お父様に不動産を売却できるだけの意思能力があるのか(≒いままで
に、認知症などによる意思能力不足と診断されたり、その兆候がない状態なのか)?(客観的な見解が必要です。)

②意思能力があるとして、現段階でのお父様に能動的な不動産売却の御意志がある
のか?(推定相続人である子供から言われたからだけでは能動的な意志かも?!)

③推定相続人全員(兄弟4名)が、今回の不動産売却に賛成しているか?
 です。

残念ながら、この①~③の回答に1つでもNOがあるとすれば、ご希望である「今の
間に不動産の売却」は①がNOならできないですし、②や③がNOなら、かえって争族
の種になりそうなので、おすすめできません。

①②がクリアできて③が問題の場合は、お父様に公正証書遺言を作成してもらい、その中で遺産分割の方法等まで指示してもらい、不動産売却等の専門知識のある遺言執行者も必ず選任しておいてもらうと、概ね相続手続きを円滑にすすめるというご希望に沿う対策にはなろうかとおもいます。

それでは次に、もし①~③の回答がすべてYESで問題ないよ。という状況であればですが、「今の間に不動産の売却」も、遺産が預貯金だけになれば、効率的に遺産分割手続きができるという理由からは有益な相続対策にはなるのかなとおもいます。

ただし、不動産の現実的な価値にもよりますが、遺産額は不動産を預貯金にかえると増える可能性もあります。
税金面などのメリット等もとお考えになるのであれば、必ず登記費用・税金等不動産売却にかかる費用全体を事前に把握し納得したうえで、本当に今売ることがベストなのか具体的な全体での損得計算をまずしてみることをおすすめします。

次に、お父様が不動産売却の手続き(契約行為等)をご自身でできるだけの体力等がおありかで段取りが変わってくるかとおもいます。

具体的には、意思能力はあってもご自身の行動が制限されておられる場合だと、具体的な事務手続き等を代理してもらう必要がありますので、その場合は、最低限でも委任状を作成する必要がありますし、特に売却価格交渉等細かいところまで本人に代わって行う必要がでてくるのであれば、ご兄弟の代表者とお父様の間で『家族信託契約』をむすんだほうがよい場合もあるのでご注意ください。

ここまで検討いただいて「今売却」がベストだと選択できるようでしたら、後は、
理解があって実力のある不動産業者と相続対策や手続きの専門家に具体的なご依頼を。
また、売却後の税務関係の手続きなどもお忘れなきようにといったとことでしょうか。

以上簡単ではありますが、今回のご相談の回答とさせていただきます。
ご参考になれば幸いです。

またよろしければ、具体的な聞取り相談の窓口として、So-ken主催のラストハウス
無料相談会(リモート相談をあります)をご利用ください。

 

いよいよ師走突入。今年もあと1ヶ月ですね。
今年は、今までの日常とは異なる不便・ 不自由・不安な一年になってしまったものの、色々と変化を受け入れて取捨選択もできた一年だったようにおもいます。まだまだコロナ禍の不便・不自由・不安な日々は続きそうですが、皆様くれぐれもお体お大切にご自愛のうえお過ごしくださいませ。

筆者「るみchan先生」こと岩井留美

 

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